2008年05月28日

白 萩 ( 春 )

辛夷

千鶴子

初湯より  上がりきし児の  匂ひ立つ

すらすらと  春七草の  名の云へし
松過ぎて  取りかからねば  ならぬこと
ジーンズの  春七草を  刻みをり
白鷺の  翔びゆく空は  すでに春


囀りや  昔のままの  仁王門
ライラック  鞠追ふて来し  少女かな
幾つかの  星の名覚へ  春浅し
風花や  山門を入る  庭師たち
見舞客  辛夷咲けるを  告げて去る


牡丹に  刻の流れの  ゆるやかに
濃紅梅  この古壷に  良く似合ふ
玄関に  靴のつけ来し  春の泥
一つ傘  催ひてゆくや  春の雨
夕刊の  濡れて来にけり  春の雨

牡丹

入園の  徽章眩しく  朝桜
花の下   かたまりてゆく   一年生
菜の花に   遠足の列   隠れけり
子の名呼び   夕餉つげいる   春夕焼
白鷺の   舞ふ空に  春 来ていたり

夫と来て   宝生の寺の   余花に逢ふ
中庭に   まだいる目白   日脚伸ぶ
拝殿の   階にも落花   及びをり
老鶯の   啼く間遠のき   暮れにけり
この車   降りて摘みたし   れんげ草

待春の   一軸を替へ   風鎮も
草染めの   エプロンおろし   春厨
春の風邪   素直に返事   して寝ぬる
春炬燵   ひとり気儘な   時も欲し
春雨を   拡げし傘に   ききながら

鶯

春の雪   てふときめきも   暫しなる
投函の   音のかそけき   春の雨
草萌えや   高く干しある   ユニホーム
童話集   拡げしままの   春炬燵
春風や   京より来たる   塗師たち
 
囀りや   伽藍の瓦   葺すすむ
春泥に   轍一すじ   残しおり
児の髪の   少し伸びたる   春炬燵
ケーキより   桜餅をと   所望さる
福梅と   いふ紅白の   葛湯煮て

春の風邪   違約を詫びて   受話器置く
母の忌に   供華に注ぎ足す  春の水
沈丁の  香りの道に  まだ成らず
うららかや  山門入りし  ジーンズの娘





岑  子

玻璃越しに  見ゆ元朝の  雲一つ
高階の  視野に空港  初御空
人日の  湯浴みに睦み  あねいもと
五日はや  古希祝われし  誕生日
少年の  声変わりして  初電話

初音聞く  何時もの部屋に  坐りいて
早春の  裏を画布とす  飛行雲
白梅や  校舎をどっと  児童出づ
能楽堂  出て紅梅の  坂のぼる
彼岸寺  句碑の囲りの  箒の目

木蓮の  花の盛りの  風立ちぬ
幼な児の  一人遊びや  さくら草
玄関に  童女顔出す  彼岸寺
母の夢  子の夢叶い  入学す
夜桜の  人の流れに  車椅子

紅梅

暖かや  畦におかれし  乳母車
筑後川  花菜明りの  風吹けり
げんげ田の  空一ぱいに  午報なる
春夕べ  競馬輸送車  すれ違う
検診を  終へてひとりの  日永かな

竹秋忌  四温の石の  ぬくみとも
倶会一処  仰ぐ本堂  芽木明り
いしぶみの  刻字やさしき  春の川
香煙の  奥の佛祖や  若葉寒む
永き日の  庫裏に干しある  嬰のもの

土曜市  てふ春宵の  書肆めぐる
春光や  さらりと見たる  ピカソ展
玉柘植の  春泥こぼし  運ばれ来
誰待つとなく  春月の  門に立つ
菩提寺へ  続く畦道  青き踏む

椿

惜別は  早やふたとせや  名草の芽
落日の  影絵の如く  春田鍬く
藁灰を  土に戻して  耕せり
挿木せる  白玉椿  蕾みをり
春潮の  涛のあなたの  夫婦岩

猫柳  旧藩邸の  船着場
掘割りの  水位戻りぬ  猫柳
春寒の 
白秋生家  素通りす
春時雨  背の濡れ色に  神の鹿
城垣の  上に人見ゆ  春の雲

沈丁の  濃き香に目覚め  をりにけり
春の雷  水仙の葉の  うらおもて
蓬摘む  草の匂ひと  日の匂ひ
暖かや  筑後訛りの  人に会ふ
夕藤の  しづかに雨を  待ちゐたり



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2008年05月21日

白 萩 ( 夏 )

夏雲

千鶴子

石鹸の 泡の眩しき 五月かな
川波に 照る陽眩しく 夏は来ぬ
綾取りの 先を忘れし 蚊遣香
みどり児を 見に夏雲の 上を飛ぶ
山門の 扉きします 青嵐

夏障子 児は懸命に 腹這ひす
道連れを 待つ山門の 涼しさに
雨に咲く 浜木綿淡き 前住忌
パラソルを 忘れし軽き 悔のあり
夏萩や 一日一句といふ人も

緑陰に かへらぬ刻を 惜しみけり
法悦の 御堂涼しく 前住忌
稲妻が 山の稜線 映しをり
初咲きの 雨の浜木綿 いとしけれ
ねむり草 そっと眠らせ 見る夕べ

蝉

夏木立 児の風車 よく廻り
蝉取りの 竿高く行く 築地塀
玉虫に 顔寄せ合ひて いる児かな
涼風に 人訪ふ心 定まりぬ
山梔子の 捩れし 蕾のうすみどり

親の年  越へしと夫の  替衣
朝刊を  網殿の風に  ひらきけり
みどり児の  はや笑まひせる  夏の月
梅雨明けの  今宵は子等と  星を見ん
満ちて来し  潮の匂ひや  月見草

我が老を  垣間見し日の  蕗の雨
青嵐  白き吊輪の  揺れ通し
仰ぎ見て  樗の花と  気付くまで
山法師  白き胡蝶の  ように咲く
それぞれに  己が涼しき  場所を待つ

花火

一瞬や  山門くぐる  初つばめ
蝶たたせ  暫し揺れいる  矢車草
一枚の  は璃戸に写る  青嵐
大花火  果てし虚ろな  空のあり
久々に  蚊帳の青さの  中にあり

みどり児の  重さをしかと  若葉風
緑陰や  孔雀の檻に  手話の人
露草は  幼馴染みの  帯の色
梅雨晴れや  堂の破風より  槌の音
朝がけの  庭の敷石  踏めば秋


古蚊帳を  折り目正しく  たたみけり
梅雨晴れや  ごみ収集の  オルゴール
夏の蝶  堂の甍の  高さまで
芋の葉に  転がる瑠璃の  玉一つ
旧道は  人の通わず  新樹光





岑  子

緑立つ  湖畔をめぐる  ななかまど
北の旅  リラ冷えという  雨に逢ふ
渓流の  音滔々と  薯がの花
豊後より  肥後路へ新樹  かさねゆく
手庇や  鵯の抱卵  つづきをり

中空の  まぶしさに立つ  五月富士
アルプスを  仰ぐ青田の  雲ゆるる
風のなき  日も揺れてをり  今年竹
浜木綿の  咲くや寺領の  女ごえ
夏雲や  虚子の句碑立つ  山の池

血縁に  会ふときめきや  明易し
明易き  枕辺に置く  旅の地図
青葉闇  親鸞の像  濡れ色に
思い出は  母につながる  白露の日
並び買ふ  故里展の  水豆腐

五月富士

高階の  窓より梅雨の  児童館
つくばひの  水飲み来し  梅雨の猫
青梅雨の  街延々と  渋滞す
点す灯に  小糠の雨の  ひかりをり
供華とせり  青き鬼火  母の忌に

風鈴の  二つの音色  隣家より
海光の  外人官舎  枇杷熟るる
花みかん  匂う山路の  休み窯
百日紅  百日白の  こぼれ花
熟睡子の  遊び疲れし  日焼け顔

蜜柑咲く  島に古りたり  クルス墓
菖蒲田を  巡り一花の  白に佇つ
菖蒲咲く  水路を舟の  下りゆく
渓流の  飛沫に夏蝶  見失ふ
文殊橋  越え滝道を  急ぎけり

鬼百合

蒙古塚  覆ふ大樹の  蝉しぐれ
鬼百合の  花粉こぼせし  朝の卓
襲名の  朱印あざやかなる  扇
アルバムの  父若かりき  夏帽子
幾曲がり  青嶺越えし  札所寺

たれかれに  会ふ故里の  盆三日
はにかめる  踊浴衣の  あねいもと
軒並みに  水打ってあり  宵の市
父の忌に  つづく母の忌  百合明り
初蝉や  はらから集う  寺座敷

水替えて  金魚の尾びれ  よく動く
さみどりの  早苗なびける  学習田
縄文の  遺構めぐりし  日の盛り
金魚飼ふ  十一階の  ベランダに
晩夏光  法衣干さるる  風の色




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2008年05月12日

白 萩 ( 秋 )

紅葉越しの東大寺大仏殿

千鶴子

菊まがき ランドセル背に 走り抜け
灯の奥に 碁石の音澄む 十三夜
夕づつや 星のまたたき すでに秋
一塊の 光る雲置き 時雨去る
リフトより 見る噴石に 秋の草

ポインセチア 炎の如く 店頭に
草の実を つけて負はれて 戻りけり
濡るる程 露を雫して 供華を剪る
蔦紅葉 明治の館を 華やかに
枯萩や 白壁に日の 移ろへる

茎の石 替えて二夜の 旅に出づ
箒目の 清らにありて 石蕗の花
こおろぎの まだいとけなき 薄みどり
裾野曳き 翼下に暫し 秋の富士
徐行して 銀杏落葉の 降るを見し

菊

呼鈴に 弾む返事や 秋晴るる
這ひ這ひの 子に随いてゆく 小春縁
秋天に 城の石垣 仰ぎけり
乱れ積 てふ石垣を 秋天に
裏木戸を 押せば近道 草紅葉

花枇杷や 光りはじめたる 星一つ
方言の いともやさしき 十三夜
幼な児に 言葉また増え 実万両
聞きとめし より虫の音の 中にゐて
追伸に 返り咲きせし リラのこと

 
落縁も  丹念に拭き  秋彼岸
古稀の秋  雲の流れに  来し方を
見覚えの  ある道に来て  曼珠沙華
白萩や  人深く住む  旧家あり
花枇杷や  朝の光りの  ある小径

枇杷

くぐり門  より入り来し  秋の蝶
蜩や  午後の郵便  来し気配
篭に挿せば  秋草らしく  庫裏書院
敦盛を  舞ふ夾涼の  能舞台
後の月  碁盤の石の  つややかに

旅に来て  居待ち寝待ちの  月を見し
秋澄むや 
藩祖築ける  人口湖
平穏に  暮れて晩秋の  日なりけり
時雨るるや  古き銘ある  手水鉢
落葉せる  かそけき音を  ききにけり

白書院  黒書院といひ  京の秋
星涼し  子の新しき  赴任の地
振り廻し  来る学帽に  秋夕焼
石仏に  散らんばかりの  草の種
時雨去り  苔美しき  裏参道




岑  子

落日の  秋めく海を  みてゐたり 
碑は  渡しの名残り  水の秋
白鷺の  輪に秋の山  秋の月
美術館  出て秋空の  時計塔
コスモスに  濯ぎしものの  影長く

あきつ飛ぶ  家解体の  塀越えて
白桃の  匂ふうす紙  遺影の間
十三夜  生家に婚の  話など
白秋祭  百の川舟  灯を連らね
山門に  野分けの後の  蜂群るる

地酒銘  しるす煙突  いわし雲
昼月の  淡きに風の  糸芒
青芒  川のむこうの  なまこ壁
旧道の  名残いづこも  柿熟るる
鶏頭燃ゆ  しんと真昼の  養護寮


鰯雲

縄文の  塚掘る人等  鰯雲
道岐れ  人わかれゆく  野菊晴
コスモスに  囲まれ島の  小学校
木の実降る  音のかそけき  勅使道
月代に  戸毎配りし  赤い羽根

コスモスの  群落なせる  陶の里
秋霖の  紙漉き村に  薬売り
晩秋の  滝をそびらに  歌碑と句碑
まなうらに  父郷の紅葉  濃かりけり
秋日さし  寺に老いゆく  昼寝犬

美術展  見し眸に  秋の空深し
鴨すでに  見えず夕陽の  浮御堂
能楽堂より  異邦人  秋の暮
燈れる  公園灯や  秋の暮
雑草の  中の鶏頭  抜かれたり

秋雨に霞む層雲峡

帯解きし  紐いろいろや  縁小春
弓道場  裏に崇なす  竹落葉
散策の  風ひとすじに  萩ゆるる
野菊挿す  一輪ざしに  記念の句
倒れたる  ままに路傍の  秋ざくら

石蕗の  花女工哀史の  館あと
出入りに  触れもす萩の  返り花
散り敷ける  柿の花踏み  郵便夫
秋日中  女優の素顔  親しめり
秋雨の  街に来てゐし  献血車

洗ひ髪  さらりとかわき  夜の秋
もどり船  秋夕焼に  染まりつつ
秋の風  浮見堂より  二三人
朝市に   買ひたる草の  花いろいろ
朝露の  芝生に拾ふ  貝ボタン


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2008年05月06日

白 萩 ( 冬 )

蝋梅

千鶴子

冬すみれ  やさしき言葉  待つように
堂縁を  枯葉の駆ける  日々となる
外に出れば  かく蝋梅の  匂ひ立つ
遊んでは  呉れぬと  泣きにくる炬燵
田より田へ  かかる冬虹  くぐれとよ

街の音  遠くにありて  風邪籠り
炭砕く  報恩講の  朝厨
あるだけの  火鉢を出して  祖師の忌を
法座はて  火鉢散らばる  大広間
足音で  どの児とわかる  風邪籠り

背の子に  少し煙たき  焚火かな
流行も  知らず過ぎ来ぬ  枇杷の花
小春日に  米洗ひつつ 
童歌
膝の児に  歯の生えそめし  小春縁
鳴きやみて  冬鶯の  いとしけれ

目白

雪を踏む  朝の敷石  さくさくと
紅梅に  逃げし目白の  暫しゐて
白壁に  二月の刻の  移りをり
寒雀  鋭き羽音  残し翔ぶ
冬鳥の  一点となる  速さかな


大ほだを  囲み普請場  賑やかに
お茶席は  琴の音になり  冬うらら
ポインセチア  置きて明るき  窓となる
我が膝に  来る児まだあり  日向ぼこ
白梅や  苔むす裏門  道が好き

時雨去り  苔美しき  裏参道
寒玉子  三つ四つ一気に  割りし音
ポストまで  風花に面  上げてゆく
かじかみし  児の手をひしと  挟みやる
新藁の  灰ふかぶかと  報恩講

雪

音たてて  落ち葉の燃ゆる  祝祭日
ひびの頬して  利かぬ気の  三女なり
靄の濃き  朝にはじまる  四温かな   
畑隅に  何やら小さき  冬構
パレットを  冬青草に  置きしまま
 

きしませて  急ぎ帯巻く  今朝の雪
蝋梅の  落葉ばかりの  朝ありき
小いも煮る  らしき時雨の  夕厨
宴果てし  回転ドアの  外は雪
年の瀬に  都忘れの  苗を買う

松過ぎて  姉妹会の  なごやかに
四つの子と  白雪姫を  読み初めに
初釜に  侍りて  心足らひけり
春寒むに  ほのと温もり  ある湯呑み
さはあれど  空の量感  日々に春




岑  子

警戒の  ひと声鳴ける  見張鶴
つぎつぎに  降りたつ鶴の  屯せる
まだき夜に  鶴見る人の  二三人
はるかなる  山裾翔べる  塒鶴    *塒‥ねぐら
初冬の  紙漉村に  来てゐたり

座敷より  見る冬山の  濃く淡く
冬雲や  朝市に人  群れいたる
探梅の  足とどめたる  獣魂碑
立冬の  風吹き抜ける  関所址
冬の川  家毎にある  水汲場

はつ冬の  高尾の山の  杉明り
にお浮ぶ  落日の湖  きらめきて
芽牡丹に  雨後の陽光  やわらげる
鯉の瞳を  やさしと思ふ  冬日中
一羽ふえ  一羽もぐれる  かいつぶり

落日

大榾の  終日燃えて  暮るるなり
榾明り  寺に二人の  童女ゐて
内陣の  閼伽ことごとく  薄氷へり
くぐもりて  冬の鳩鳴く  寺の屋根
大屋根の  し尾にとまれる  寒鴉

句座よりの  玻璃越しの  山眠りをり
風邪声を  いたわりあへる  夜の電話
画展出て  雪の螺旋階段  まぶし
句帳手に  人につきゆく  寒日和
紅梅の  鉢ひとつある  投票所

冬晴れや  声出して読む  帰去来碑
枇杷咲いて  ふっと遠き日  たぐりよせ
病名は触れず  寒夜の  受話器置く
何思ひゐて  つまづきし  枯木径
冬菊の  たれにともなく  匂ひけり

冬の川

雪しまくなか  顔あげて  武者埴輪
山を越え  又残雪の  山に入る
推敲の  刻すごしけり  冬灯
冬の川  隔て二つの  小学校
旧道の  一樹花芽の  疎に密に

まさぐれる  百万遍の  念珠冷ゆ
道路鏡  雪雫して  暮色来る
一言に  なほこだわるや  冬木の芽
並べある  素陶の乾く  冬日和
末枯や  綾の鼓の  碑の辺り

終電の  夜寒の椅子の  空いてをり
ビルの窓より  残照の  冬の海
散薬の  苦さ残れる  夜寒かな
山中に  唐臼響く  十二月
街頭に  署名乞はれし  十二月
 

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2008年05月01日

白 萩 (おわりに)

千鶴子

手元のノートから四季それぞれ45句ずつ集めたものがこのような句集となりました。

つたない句が活字になり立派に製本され、面映い気が致しますが、一つ一つの思い出が、心の奥にひっそりと息づいております。

文字通り*姉妹三人の手作りの句集となりましたが、生きている証として、この先も俳句を作り続けてゆきたいものと、思いを新たにしております。         

*姉妹三人‥製本に当って、義妹の手を煩わせています        

                  
                             
岑  子

流れて行く年月、その時々のものを自分の心にとどめておきたい気持ちもあり、姉に便乗の形で思いもかけず二人句集が出来上がりました。

これは全く義妹のすすめにより実現したもので、製本その他すっかり厚意に甘えてしまいました。

活字になるのさえ恥ずかしい拙い句が、こうして句集となり、喜びと共に反省することも多々ありますが、何よりも生きてきた証とも又生活の記録ともなるように、これからも牛の歩みの如く一歩一歩作句に励みたいと思っております。      

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2008年03月21日

万葉集関連書籍 (合計1500円以上で送料無料)

柿本人麻呂 



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2008年03月02日

白 萩 (千鶴子)

初湯より  上がりきし児の  匂ひ立つ
すらすらと  春七草の  名の云へし
松過ぎて  取りかからねば  ならぬこと
ジーンズの  春七草を  刻みをり
白鷺の  翔びゆく空は  すでに春


囀りや  昔のままの  仁王門
ライラック  鞠追ふて来し  少女かな
幾つかの  星の名覚へ  春浅し
風花や  山門を入る  庭師たち
見舞客  辛夷咲けるを  告げて去る


牡丹に  刻の流れの  ゆるやかに
濃紅梅  この古壷に  良く似合ふ
玄関に  靴のつけ来し  春の泥
一つ傘  催ひてゆくや  春の雨
夕刊の  濡れて来にけり  春の雨

入園の  徽章眩しく  朝桜
花の下   かたまりてゆく   一年生
菜の花に   遠足の列   隠れけり
子の名呼び   夕餉つげいる   春夕焼
白鷺の   舞ふ空に  春 来ていたり



夫と来て   宝生の寺の   余花に逢ふ
中庭に   まだいる目白   日脚伸ぶ
拝殿の   階にも落花   及びをり
老鶯の   啼く間遠のき   暮れにけり
この車   降りて摘みたし   れんげ草

待春の   一軸を替へ   風鎮も
草染めの   エプロンおろし   春厨
春の風邪   素直に返事   して寝ぬる
春炬燵   ひとり気儘な   時も欲し
春雨を   拡げし傘に   ききながら

春の雪   てふときめきも   暫しなる
投函の   音のかそけき   春の雨
草萌えや   高く干しある   ユニホーム
童話集   拡げしままの   春炬燵
春風や   京より来たる   塗師たち
 
囀りや   伽藍の瓦   葺すすむ
春泥に   轍一すじ   残しおり
児の髪の   少し伸びたる   春炬燵
ケーキより   桜餅をと   所望さる
福梅と   いふ紅白の   葛湯煮て

春の風邪   違約を詫びて   受話器置く
母の忌に   供華に注ぎ足す  春の水
沈丁の  香りの道に  まだ成らず
うららかや  山門入りし  ジーンズの




石鹸の 泡の眩しき 五月かな
川波に 照る陽眩しく 夏は来ぬ
綾取りの 先を忘れし 蚊遣香
みどり児を 見に夏雲の 上を飛ぶ
山門の 扉きします 青嵐

夏障子 児は懸命に 腹這ひす
道連れを 待つ山門の 涼しさに
雨に咲く 浜木綿淡き 前住忌
パラソルを 忘れし軽き 悔のあり
夏萩や 一日一句といふ人も

緑陰に かへらぬ刻を 惜しみけり
法悦の 御堂涼しく 前住忌
稲妻が 山の稜線 映しをり
初咲きの 雨の浜木綿 いとしけれ
ねむり草 そっと眠らせ 見る夕べ

夏木立 児の風車 よく廻り
蝉取りの 竿高く行く 築地塀
玉虫に 顔寄せ合ひて いる児かな
涼風に 人訪ふ心 定まりぬ
山梔子の 捩れし 蕾のうすみどり



親の年  越へしと夫の  替衣
朝刊を  網殿の風に  ひらきけり
みどり児の  はや笑まひせる  夏の月
梅雨明けの  今宵は子等と  星を見ん
満ちて来し  潮の匂ひや  月見草


我が老を  垣間見し日の  蕗の雨
青嵐  白き吊輪の  揺れ通し
仰ぎ見て  樗の花と  気付くまで
山法師  白き胡蝶の  ように咲く
それぞれに  己が涼しき  場所を待つ

一瞬や  山門くぐる  初つばめ
蝶たたせ  暫し揺れいる  矢車草
一枚の  は璃戸に写る  青嵐
大花火  果てし虚ろな  空のあり
久々に  蚊帳の青さの  中にあり


みどり児の  重さをしかと  若葉風
緑陰や  孔雀の檻に  手話の人
露草は  幼馴染みの  帯の色
梅雨晴れや  堂の破風より  槌の音
朝がけの  庭の敷石  踏めば秋


古蚊帳を  折り目正しく  たたみけり
梅雨晴れや  ごみ収集の  オルゴール
夏の蝶  堂の甍の  高さまで
芋の葉に  転がる瑠璃の  玉一つ
旧道は  人の通わず  新樹光




菊まがき ランドセル背に 走り抜け
灯の奥に 碁石の音澄む 十三夜
夕づつや 星のまたたき すでに秋
一塊の 光る雲置き 時雨去る
リフトより 見る噴石に 秋の草

ポインセチア 炎の如く 店頭に
草の実を つけて負はれて 戻りけり
濡るる程 露を雫して 供華を剪る
蔦紅葉 明治の館を 華やかに
枯萩や 白壁に日の 移ろへる

茎の石 替えて二夜の 旅に出づ
箒目の 清らにありて 石蕗の花
こおろぎの まだいとけなき 薄みどり
裾野曳き 翼下に暫し 秋の富士
徐行して 銀杏落葉の 降るを見し

呼鈴に 弾む返事や 秋晴るる
這ひ這ひの 子に随いてゆく 小春縁
秋天に 城の石垣 仰ぎけり
乱れ積 てふ石垣を 秋天に
裏木戸を 押せば近道 草紅葉

 

花枇杷や 光りはじめたる 星一つ
方言の いともやさしき 十三夜
幼な児に 言葉また増え 実万両
聞きとめし より虫の音の 中にゐて
追伸に 返り咲きせし リラのこと

 落縁も  丹念に拭き  秋彼岸
古稀の秋  雲の流れに  来し方を
見覚えの  ある道に来て  曼珠沙華
白萩や  人深く住む  旧家あり
花枇杷や  朝の光りの  ある小径

くぐり門  より入り来し  秋の蝶
蜩や  午後の郵便  来し気配
篭に挿せば  秋草らしく  庫裏書院
敦盛を  舞ふ夾涼の  能舞台
後の月  碁盤の石の  つややかに

旅に来て  居待ち寝待ちの  月を見し
秋澄むや 
藩祖築ける  人口湖
平穏に  暮れて晩秋の  日なりけり
時雨るるや  古き銘ある  手水鉢
落葉せる  かそけき音を  ききにけり




冬すみれ  やさしき言葉  待つように
堂縁を  枯葉の駆ける  日々となる
外に出れば  かく蝋梅の  匂ひ立つ
遊んでは  呉れぬと  泣きにくる炬燵
田より田へ  かかる冬虹  くぐれとよ

街の音  遠くにありて  風邪籠り
炭砕く  報恩講の  朝厨
あるだけの  火鉢を出して  祖師の忌を
法座はて  火鉢散らばる  大広間
足音で  どの児とわかる  風邪籠り

背の子に  少し煙たき  焚火かな
流行も  知らず過ぎ来ぬ  枇杷の花
小春日に  米洗ひつつ 
童歌
膝の児に  歯の生えそめし  小春縁
鳴きやみて  冬鶯の  いとしけれ

雪を踏む  朝の敷石  さくさくと
紅梅に  逃げし目白の  暫しゐて
白壁に  二月の刻の  移りをり
寒雀  鋭き羽音  残し翔ぶ
冬鳥の  一点となる  速さかな




大ほだを  囲み普請場  賑やかに
お茶席は  琴の音になり  冬うらら
ポインセチア  置きて明るき  窓となる
我が膝に  来る児まだあり  日向ぼこ
白梅や  苔むす裏門  道が好き

時雨去り  苔美しき  裏参道
寒玉子  三つ四つ一気に  割りし音
ポストまで  風花に面  上げてゆく
かじかみし  児の手をひしと  挟みやる
新藁の  灰ふかぶかと  報恩講

音たてて  落ち葉の燃ゆる  祝祭日
ひびの頬して  利かぬ気の  三女なり
靄の濃き  朝にはじまる  四温かな   
畑隅に  何やら小さき  冬構
パレットを  冬青草に  置きしまま
 

きしませて  急ぎ帯巻く  今朝の雪
蝋梅の  落葉ばかりの  朝ありき
小いも煮る  らしき時雨の  夕厨
宴果てし  回転ドアの  外は雪
年の瀬に  都忘れの  苗を買う

松過ぎて  姉妹会の  なごやかに
四つの子と  白雪姫を  読み初めに
初釜に  侍りて  心足らひけり
春寒むに  ほのと温もり  ある湯呑み
さはあれど  空の量感  日々に春



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2008年02月24日

お〜いお茶新俳句大賞名作



伊藤園 お〜いお茶新俳句大賞名作紹介
※敬称略

第一回平成元年応募総数…41,373句
高校生以下の部 大賞十三才パパをおやじと呼んで夏新沼信幸
大学生の部 大賞バルコニーで文庫一冊分の陽灼け山田通代
一般の部 大賞白菜がまじめに笑って立春です稲田豊子
第二回(2年)応募総数…47,523句
小学生・中学生の部 大賞化石掘る手で氷河期にふれている菊池詩枝
高校生・大学生の部 大賞冬の空レノンの眼鏡は晴れている吉盛一也
一般の部 大賞子のクレヨンぐいぐい冬木描きはじむ幸野とよ
第三回(3年)応募総数…63,745句
小学生・中学生の部 大賞ベートーベンにらんでばかりおそろしい神野希美
高校生・大学生の部 大賞土手で寝る少しの間雲になる仲 久恵
一般の部 大賞光年といふ月日あり冬銀河松本勝枝
第四回(4年)応募総数…109,750句
小学生・中学生の部 大賞さんかんびあたまのうしろあつくなる中山美佳
高校生・大学生の部 大賞ラジオを消すゼラチン質の闇の音長谷川優子
一般の部 大賞春の嵐は異形(いぎょう)となりて街を撃てり外崎花牛
第五回(5年)応募総数…256,484句
小学生の部・幼児含む 大賞ねるまえにもう一ど見る雪だるま兄部拓馬
高校生の部 大賞兜虫おまえもひどい日焼けだな中田新一
大学生の部 大賞ポケットから手を出しさわる春の風八木澤市朗
一般の部A・65歳未満 大賞抱いた子を野薔薇のように渡したの高橋満理子
一般の部B・65歳以上 大賞象もきてゐる涅槃図(ねはんず)の重さかな西場栄光
英語俳句の部 大賞Crabs searching
the stars fallen on the sea
the sky rummaged by claws
(直訳:海に落ちた星を探す蟹たち…その爪あとを大空に…)
Clelia Iflim /ルーマニア
第六回(6年)応募総数…398,191句
文部大臣賞父の背を越して十五の春一番佐々木祥一郎
小学生の部・幼児含む 大賞寒い朝ゴジラの気分でいきを出す八田寛紀
中学生の部 大賞りんごかむ口いっぱいに大音響乾 正一朗
高校生の部 大賞指さきで読む英単語雪予感松本理夫
大学生・専門学校生の部 大賞橋脚(きょうきゃく)の倒れた街の冬銀河平尾ひみ子
一般の部A・65歳未満 大賞母ひとり遅れて笑う夜の秋小林美代子
一般の部B・65歳以上 大賞行けば行くところに記紀(きき)の梅真白吉田亜司
英語俳句の部 大賞Graceful is the deer,
who roams abaut his kingdom
quiet as the snow
(直訳:優美な鹿 その王国を雪のような静かさで 歩きまわる)
Justin Ryan Gammons/アメリカ
第七回(7年)応募総数…489,407句
文部大臣賞春あけぼの三千グラムの大欠伸石川和志
小学生の部・幼児含む 大賞しんぞうがぼくよりさきに走ってる奥田光徳
中学生の部 大賞生き物がみんなムニャムニャ春の声阿部育子
高校生の部 大賞麦秋や明日はきちんと愛告げる曽我部和代
大学生・専門学校生の部 大賞歌詞忘れ終わらぬままの手毬歌(てまりうた)鍋田祐子
一般の部A・40歳未満 大賞新じゃがに似たる子の顔なでている近藤江利子
一般の部B・65歳未満 大賞雪ばかり見て何もせず誕生日増田元子
一般の部C・65歳以上 大賞肩書のとれて大きな夏帽子西丸秀男
英語俳句の部 大賞in the small field
chestnut horses everywhere
dancing in the rain
(直訳:小さな野原の何処にも栗毛の馬が雨に踊っている)
Virginia Tuckey/日本
第八回(8年)応募総数…535,894句
小学生の部・幼児含む 大賞とびばこで足をひらくと空にいる木澤有祐
中学生の部 大賞鳥がみんな風の形をしている春三浦博子
高校生の部 大賞田舎(いなか)では星が降(ふ)ります頭上注意山里有希子
大学生・専門学校生の部 大賞あなたとの距離が近づく冬が好き近河佐夜佳
一般の部A・40歳未満 大賞シャワー全開君をとられてなるものか藤川佐智子
一般の部B・65歳未満 大賞母が小さくなって赤い唐辛子(とうがらし)田草川初絵
一般の部C・65歳以上 大賞草刈って風を失(な)くしてしまひけり横山美恵子
英語俳句の部 大賞soft distant music
flowing from the room
in butterfly lines
(直訳:やわらかい音楽が遠い部屋から流れてくる…蝶が舞うように)
Shoko Nozawa/日本

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タグ:お〜いお茶
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2008年02月09日

黛まどか関連書籍 (合計1500円以上で送料無料)

         黛まどか



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2008年01月31日

良寛関連書籍 (合計1500円以上で 送料無料)

      良寛と子ども図



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